日本外科系連合学会誌
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原著
日本ヘルニア学会新分類に基づいた鼠径部ヘルニア自験例366症例の検討
太田 智之加納 宣康草薙 洋柳田 剛
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2013 年 38 巻 1 号 p. 21-26

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抄録
緒言:2009年,日本ヘルニア学会分類:Japanese Hernia Society分類(以下,JHS分類)は新分類に改定され,普及が進みつつある.

対象と方法:鼠径部ヘルニア自験例366症例を対象とし,症例全体,性別,再発症例毎のJHS分類における各分類型の頻度を調査し,その結果を分析した.

結果:症例全体の各分類型の頻度はⅠ-1:13.1%,Ⅰ-2:48.4%,-3:10.7%,Ⅱ-1:6.8%,Ⅱ-2:
13.3%,Ⅱ-3:4.9%,Ⅲ:9.0%,Ⅳ:3.6%,Ⅴ:0%であった.Ⅰ-1は判定ミスを含み,想定より高頻度となった.再発症例ではⅡ-1,Ⅲが多く,女性症例では,Ⅲが4割を占めていた.

結論:Ⅰ-1は改定された内容を正確に理解する必要がある.Ⅰ型は全体の7割を占めていた.Ⅱ-1とⅢは再発予防の点から重要な分類である.特に女性症例は,Ⅲが高頻度であり,大腿輪の開大を必ず確認すべきである.
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© 2013 日本外科系連合学会
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