Ogilvie症候群は大腸の機能的な通過障害により大腸閉塞をきたす疾患であり,その病変範囲は結腸に発生することが多く,直腸まで及ぶことは少ない.今回病変が直腸にまで及ぶOgilvie症候群の1例を経験したので報告する.症例は63歳,女性.平成19年頃より腹痛,腹部膨満感が出現しており,大腸内視鏡による腸管内減圧ならびに内服加療にて加療を行っていた.しかし平成22年初旬頃から腹部膨満感,腹痛が毎月出現するようになり,急性偽性結腸閉塞症(Ogilvie症候群)の緩快,再燃を繰り返す難治性症例と判断し,外科的治療(上行結腸に人工肛門を造設)にて軽快が得られた症例を経験したので報告する.