日本外科系連合学会誌
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症例報告
術後10年目に肝転移を認めた乳腺neuroendocrine carcinomaの1例
大城 良太中口 和則渡辺 康則
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2013 年 38 巻 5 号 p. 976-983

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抄録

症例は38歳女性,2002年8月,右乳房腫瘤を自覚し当科を受診した.超音波検査では境界やや不明瞭,内部不均一な17mmの腫瘤を認めた.穿刺吸引細胞診は悪性疑いであったため,摘出生検術を行い乳腺neuroendocrine carcinoma(以下NEC)と診断した.右乳腺部分切除術,腋窩リンパ節郭清を施行した(T1N0M0 StageⅠ,ER陽性,PgR陽性,Her2陰性).術後,残存乳腺に放射線照射(50Gy)し,ホルモン療法(TAM)を行った.3年6カ月後,残存乳房再発を認め,右残存乳房切除術を施行した.病理組織で乳腺NECの乳房内再発と診断した.術後はホルモン療法(LH-RHa+TAM)を投与した.初回切除術10年後,肝腫瘍を指摘され,他院で肝外側区域部分切除を施行し,病理組織で乳腺NECの肝転移と診断された.初回術後10年目に肝転移を認めた乳腺NECの1例を経験したので報告する.

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© 2013 日本外科系連合学会
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