日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
原著
胃癌,大腸癌開腹手術後の静脈血栓塞栓症予防におけるエノキサパリンの有効性・安全性および静脈血栓塞栓症発症予測因子の検討
田中 善宏加藤 順子奥村 直樹野中 健一高橋 孝夫山口 和也長田 真二吉田 和弘
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 39 巻 1 号 p. 1-8

詳細
抄録
静脈血栓塞栓症(VTE)は,致死的な経過をとる可能性がある重大な術後合併症の一つである.われわれは,胃癌または大腸癌開腹手術を行った32例を間欠的空気圧迫装置(IPC)群とエノキサパリンナトリウム追加(E)群に無作為に割り付け,術後のVTE予防におけるEの臨床使用実態下での有効性・安全性の検討を行った.その結果,DVTはIPC群で21例中4例に認めたが,E群11例では認めなかった.Dダイマーは術後7日目以降,IPC群に比しE群が有意に低値であった.有害事象は両群ともに認められなかった.DVTと下肢動脈血流速度の関連が検討可能であった18例において,DVT発症6例(術前発症2例を含む)は非発症12例に比べ左右の下肢動脈血流速度差が大きかった.EはIPCに比し術後のVTE予防に有用であり,左右の下肢動脈血流速度差がVTE発症の新たな予測因子となる可能性が示唆された.
著者関連情報
© 2014 日本外科系連合学会
次の記事
feedback
Top