日本外科系連合学会誌
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原著
当院における手術報酬の診療科間格差
池上 政周五嶋 孝博大木 孝裕橋倉 一彰山川 聖史穂積 高弘
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2014 年 39 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

【目的】2012年度の診療報酬改定で各診療科の手術報酬は上昇したものの,診療科間の格差が残存している.その現状を調査した.【方法】当院で2012年4月から6月に手術を受けた全1,219例を対象とした.手術報酬を患者の手術室滞在時間と医師人数で除した値を単位点数と定義して計算し,診療科間の比較を行った.【結果】全手術の平均単位点数は3,301点であり,診療報酬改定により12%上昇した.単位点数が最も高額であった診療科は眼科で12,403点,最も低額であった診療科は骨軟部腫瘍科で1,529点であり,8.1倍の格差があった.【結語】単位点数は医師の時給に相当する.単位点数は診療科の収益に,更には院内での評価に直結しているため,各診療科で同程度であるべきである.今後の診療報酬改定においては単位点数を基準として用い,診療科間の格差が減少するように改定されることが望まれる.

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© 2014 日本外科系連合学会
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