日本外科系連合学会誌
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症例報告
術中内視鏡で出血点を同定し切除した微小小腸動静脈奇形の1例
國重 智裕中川 正小山 文一藤井 久男中島 祥介
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2014 年 39 巻 1 号 p. 76-81

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抄録
症例は82歳男性.突然の吐下血のため近医を受診した.精査で小腸出血が疑われ,カプセル内視鏡・小腸内視鏡・出血シンチグラムを施行し,近位空腸からの出血と診断した.下血が持続するため開腹手術を行い,術中内視鏡検査で近位空腸に活動性の出血点を同定し小腸部分切除術を行った.病理組織検査で動静脈奇形と診断した.当症例は微小な血管病変からの間欠的出血であったため,術前検査で局在を絞り込み,最終的に術中内視鏡検査で精密に同定された.これにより確実に病変が除去され,病理学的評価も行うことができた.
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© 2014 日本外科系連合学会
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