日本外科系連合学会誌
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臨床経験
開腹既往のない小腸イレウス26例の検討
太田 裕之園田 寛道清水 智治谷 徹
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キーワード: イレウス, 開腹既往
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2014 年 39 巻 2 号 p. 160-165

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抄録
【目的】開腹既往のない小腸イレウスの臨床像を明らかにする.【方法】当科で経験した体表ヘルニア嵌頓症例を除いた開腹既往のない小腸イレウスに対する手術症例26例について成因,血液生化学所見,CTでの腹水貯留の有無および来院時から手術までの時間について検討した.【結果】イレウスの成因は,閉鎖孔ヘルニアが6例と最多で,内ヘルニアが5例,小腸軸捻転が4例と続いた.血流障害のために腸管切除を要した12症例と腸管切除を要しなかった12症例について比較検討を行った結果,腸管切除例において有意にCRPが高値で高率に腹水貯留を認めた.【結語】開腹既往のない小腸イレウスの原因は多様であり,理学的所見および検査所見をもとに迅速な対応が必要である.
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© 2014 日本外科系連合学会
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