日本外科系連合学会誌
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手技・機器の開発
当院における腹腔鏡下肝切除の経験
山本 隆嗣宮崎 徹倉島 夕紀子大畑 和則大河 昌人田中 肖吾上西 崇弘久保 正二広橋 一裕
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2014 年 39 巻 2 号 p. 166-174

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抄録
目的:腹腔鏡下肝切除では多数のエネルギーデバイス機器(デバイス)を使用することが多いが,煩雑で機材費も高額となる.腹腔鏡下肝切除で臨床成績を変えずに,どの様にデバイスを節約使用するのが良いかを提示・検討した.
方法:10mmH2O気腹圧下で3~4本のトロッカーからラジオ波バイポーラ凝固装置と超音波凝固切開装置を挿入し,バイポーラ凝固による肝組織の圧挫・亜区域レベルのグリソン鞘のシールと超音波凝固切開装置による切開で腹腔鏡下肝亜区域・部分切除を行った.
結果:施行した22例全体の平均手術時間は172分,平均出血95cc,平均術後在院日数8.7日で,術後合併症は認めなかった.他のデバイスを多数用いた肝切除と比較しても出血や手術時間,術後在院日数に有意差はみられなかった.
結論:腹腔鏡下の小範囲の肝切除ではラジオ波バイポーラ凝固装置と超音波凝固切開装置の2種使用でも,手術が遂行しえると考えられた.
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© 2014 日本外科系連合学会
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