抄録
症例は開腹歴のない39歳男性,腹痛と腹部膨満,嘔吐を主訴に来院.腹部単純レントゲン検査と腹部CTで著明な小腸の拡張を認めたため,イレウスの診断で緊急入院とした.イレウス管を挿入し保存的加療としたが改善がなく入院後6日目に内ヘルニアの診断で手術を行った.手術は鏡視下にて行った.S状結腸間膜左葉の異常な陥凹に小腸が嵌頓しており,S状結腸間膜窩ヘルニアと診断した.鏡視下に嵌頓を解除し,腸切除,ヘルニア門の閉鎖は行わなかった.術後経過は問題なく,術後10日目に退院とした.S状結腸間膜窩ヘルニアは比較的稀な疾患である.腹腔鏡下にS状結腸間膜窩ヘルニアを整復しえたので文献的考察を加えて報告する.