抄録
症例は73歳,男性.平成10年6月,他院にて胆囊結石症に対して腹腔鏡下胆囊摘出術施行.術後黄疸出現し,術後4日目に胆管損傷の診断にて胆管端々吻合術施行.平成13年より黄疸,肝機能障害が出現.同年10月より胆管吻合部狭窄に対して内視鏡的に胆管ステント留置,交換を繰り返していた.平成22年より胆管炎が頻発するようになり,手術目的に当科紹介受診となった.画像検査にて肝内胆管の拡張と胆管吻合部の狭窄,肝内結石が認められた.胆管損傷後狭窄の診断にて平成23年10月,肝門部胆管切除,肝内結石採石,胆管空腸吻合術を施行.術後の病理組織検査にて胆管断端神経腫と診断された.胆管断端神経腫は稀な疾患であり,胆道系手術後に発生し,術後発症までの経過時間が長いことが特徴とされている.しかし,本邦報告例を検討すると胆管手術後は他手術後と比較し早期に発生する頻度が高く,術後早期に発生した胆管狭窄でも本症の可能性を念頭に置く必要がある.