抄録
症例は73歳,女性.S状結腸癌にてS状結腸切除術を施行した.術後15日目に腸閉塞症状が出現し,左中腹部に硬い腫瘤を触知し,腹部CTでは腸間膜脂肪織の濃度上昇を認めた.術後腸閉塞にて経鼻胃管留置,メトクロプラミド,エリスロマイシン投与を施行したが軽快しなかった.その後腹部に硬い腫瘤を触知することにより腸間膜脂肪織炎による腸閉塞と診断し,術後24日目よりデキサメタゾン8mg/day点滴投与を開始した.その結果,術後29日目より経口摂取可能となり術後41日目に退院となった.術後早期の腸閉塞で腹部に硬い腫瘤を触知した場合,本疾患を念頭に置いてステロイド投与などの保存的治療を行えば,不要な手術を回避できる可能性があると思われる.