日本外科系連合学会誌
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原著
新ガイドライン重症度判定基準に沿った急性胆囊炎術後合併症の解析
浅井 浩司渡邉 学草地 信也松清 大斉藤 智明榎本 俊行中村 陽一斉田 芳久長尾 二郎
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2014 年 39 巻 4 号 p. 641-650

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抄録
【目的】今回,ガイドラインの改訂(以下,旧ガイドライン,新ガイドライン)を考慮した急性胆囊炎手術症例の術後合併症の解析を行ったので報告する.【方法】急性胆囊炎手術施行255例を対象とした.【結果】術後合併症は全体で8.2%に認められ,重症度別では旧ガイドラインに準じると軽症0%,中等症7.7%,重症14.6%であり,新ガイドラインに準じると軽症3.4%,中等症11.7%,重症50%であった.合併症発生に関して,ガイドラインに関与する因子は多変量解析で有意差を認めなかったが,ガイドラインで規定されていない年齢と出血量で有意差を認めた.術後合併症の予測値は年齢72歳,出血量90gであった.【結語】新ガイドラインの重症度分類はより炎症が高度で合併症が多い結果となった.ガイドラインで規定されていない年齢,出血量は合併症を予測する有意なパラメーターとなる可能性が示唆された.
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© 2014 日本外科系連合学会
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