日本外科系連合学会誌
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原著
当院における先進医療「腹腔鏡下子宮体がん根治手術」の現状
松本 光司越智 寛幸小貫 麻美子八木 洋也中尾 砂理櫻井 学川崎 彰子中村 優子岡崎 有香佐藤 豊実
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2014 年 39 巻 4 号 p. 651-656

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抄録
【目的】当院において2012年8月より先進医療の承認を得て行っている腹腔鏡下子宮体がん根治手術の現状を報告する.
【方法】「術前組織診で類内膜腺癌G1/G2」,「MRIで筋層浸潤<1/3」,「画像検査で子宮外病変がない」という3つの条件を満たす早期子宮体がん症例20例を対象とした.腹腔鏡下子宮全摘術+両側付属器摘出術に加え,骨盤リンパ節は内・外腸骨節(#403・#411)や閉鎖節(#410) を中心に郭清した.
【成績】2013年9月までに20例に本術式を行った.平均すると,患者年齢50.3歳,手術時間224±46分,出血量193±213ml,摘出リンパ節数21.4個,術後在院日数は5.3日であった.全例で腹腔鏡下に無輸血で手術を完遂し,重篤な合併症はみられなかった.
【結論】根治性と安全性において,腹腔鏡下手術でも早期子宮体がんに対する治療として十分なクオリティを保つことができると考えられた.今後は,長期的予後の解析が必要である.
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© 2014 日本外科系連合学会
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