抄録
症例は45歳,女性.2012年12月,月経終了後より便秘傾向となり,嘔吐・腹痛のため当院内科外来を受診した.腹部CT検査よりS状結腸に高度狭窄を認めたため,経肛門的にイレウス管の挿入を試みるも,施行困難と判断し,外科紹介となった.同日,緊急手術を施行した.回腸および全結腸が著明に拡張しており,S状結腸に腫瘤を触れ,直腸および子宮に強度に癒着していた.S状結腸切除,D2郭清を施行した.術後,病理組織学的診断により腸管子宮内膜症と診断された.腸管子宮内膜症は,全子宮内膜症の10%程度を占め,S状結腸・直腸での発生頻度が高い.しかし,同部位でのイレウスの発症は比較的稀と報告されている.今回,S状結腸に発症しイレウスをきたした腸管子宮内膜症の1例を経験したので報告する.