日本外科系連合学会誌
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症例報告
CA19-9高値を呈した骨盤内mesothelial cystの1例
村田 知洋福地 稔幡野 哲天野 邦彦松澤 岳晃馬場 裕之熊谷 洋一石橋 敬一郎持木 彫人石田 秀行
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2014 年 39 巻 6 号 p. 1202-1207

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抄録
血清CA19-9が高値を呈した骨盤内mesothelial cystの稀な1例を経験したので報告する.症例は19歳,男性で2カ月前から持続する下腹部痛を訴えていた.CT検査でダグラス窩に径2.5cm大の囊胞性腫瘤と液体貯留を認めた.血液生化学検査ではCA19-9が1,844U/mlと高値であった.骨盤内囊胞性腫瘤の診断で摘出術を施行した.病理診断は中皮細胞で被覆されたmesothelial cystで,一部に扁平上皮化生を伴っていたが,悪性像は認めなかった.囊胞の中皮細胞(扁平上皮化生の部位を含め)はCA19-9免疫染色陽性であった.術後,血清CA19-9は正常化した.本邦における1985年以降の文献検索で血清CA19-9が上昇した同様の症例は報告されていない.さらに,mesothelial cystは発生頻度が低いが,骨盤内に認めることもあり,骨盤内囊胞性腫瘤の鑑別診断として念頭に置くべき疾患である.
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© 2014 日本外科系連合学会
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