日本外科系連合学会誌
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症例報告
胃癌術後1カ月で乳縻腹水を認め,保存的治療で軽快した1症例
宮﨑 進木村 豊藤谷 和正門田 卓士
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2015 年 40 巻 5 号 p. 858-862

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抄録

症例は73歳,男性,LD領域のtype2型の胃癌に対して平成18年6月幽門側胃切除,D2郭清,Roux-Y再建,胆囊摘出術を施行した.術後,吻合部狭窄以外に合併症を認めず,術後4週間で軽快退院となった.退院後2日目(術後30日目)より腹部膨満が出現し,入院となった.多量の腹水を認め,腹水性状は乳白色に混濁した乳縻腹水であった.絶食,高カロリー輸液,利尿剤投与,腹水ドレナージチューブ挿入による保存的治療が奏効し,入院後49日目に軽快退院となった.術後乳縻腹水は食事摂取開始早期から発症することが多く,術後1カ月以上経過して発症することは稀であるため,文献的考察を加えて報告した.

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© 2015 日本外科系連合学会
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