日本外科系連合学会誌
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症例報告
5-FUに起因する高アンモニア血症による意識障害をきたした再発直腸癌の1例
山村 喜之梅本 一史鈴木 友啓加藤 航平武藤 潤中西 喜嗣吉岡 達也村川 力彦大竹 節之大野 耕一
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2015 年 40 巻 5 号 p. 933-937

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抄録
再発直腸癌に対するmFOLFOX6療法により,高アンモニア血症を経験したので報告する.症例は73歳,男性.直腸癌に対してハルトマン手術を施行した.術後補助化学療法としてUFT/UZELを6カ月間内服した.術後9カ月に腹膜播種を認めたため,バイパス手術施行後にmFOLFOX6療法を施行した.治療開始2日目に意識障害を認め,MRIを施行したが,異常所見は認めなかった.血液検査では高アンモニア血症を認めた.5-FUに起因する高アンモニア血症による意識障害と診断し分岐鎖アミノ酸投与と持続的血液透析を施行した.翌日には意識障害および血中アンモニア値は改善した.mFOLFOX6やFOLFIRI療法など高容量の5-FUを投与した際に,意識障害を認めた場合は,高アンモニア血症に留意すべきである.
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© 2015 日本外科系連合学会
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