日本外科系連合学会誌
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症例報告
虚血性小腸炎に対して,腹腔鏡補助下に手術を施行した1例
宇根 範和 吉福 清二郎加藤 博樹亀山 亨岸本 浩史笹原 孝太郎
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2016 年 41 巻 2 号 p. 227-232

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抄録
症例は43歳女性.腹痛,嘔気を主訴に来院した.身体所見,造影CT検査,採血結果などから非閉塞性腸間膜虚血症を疑い,腹腔鏡下に緊急手術を施行した.腸管に浮腫,発赤はみられたが,全層壊死には至っていないと判断し,観察のみで終了した.症状は改善傾向にあったが,しばらくして間欠的な腹痛が出現するようになり,保存的治療を行うも改善しなかった.ダブルバルーン小腸内視鏡検査を行うと回盲弁から50cm口側の回腸にヒダの消失,浮腫,びらん潰瘍があり,内視鏡は通過しなかった.以上から狭窄型虚血性小腸炎と判断し,腹腔鏡補助下に小腸部分切除術を施行した.術後の経過は良好で術後第8病日に退院した.虚血性小腸炎は比較的稀であり,急性期および狭窄形成期のそれぞれに腹腔鏡下に手術を施行した報告例は本症例が初である.腸管の虚血が疑われる症例に対して,早期に腹腔鏡で腸管のviabilityを確認することは有効と考えられた.
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© 2016 日本外科系連合学会
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