2018 年 43 巻 2 号 p. 300-304
症例は70歳代,女性.疼痛を伴わない左鼠径部膨隆を自覚し,近医を受診した.還納は容易であり,鼠径ヘルニアの診断にて当科紹介となった.初診時に鼠径部腫瘤は還納できないものの,Computed Tomography(CT)にて腸管の嵌頓を認めず,Nuck管水腫疑いであったため,待機的にNuck管水腫根治術の方針とした.手術診断は大腿ヘルニアで,内容は左卵管であった.肉眼的に一部虚血の所見を認めたため,左卵管切除術を施行し,大腿輪にPlugを挿入後,大腿輪を縫縮し手術を終了した.現在,5カ月まで再発なく経過している.ヘルニア内容が卵管であった大腿ヘルニアの1例を経験したので報告する.