2019 年 44 巻 1 号 p. 49-55
症例は54歳女性.既往として神経線維腫症Ⅰ型:von Recklinghausen病(以下vRD)と診断されていた.血便を主訴に他院を受診し,上下部内視鏡が施行されたが異常なく,当院紹介となった.カプセル内視鏡検査で,上部小腸に小腸腫瘍を疑わせる所見を認めた.経口および経肛門小腸鏡が施行され,gastrointestinal stromal tumor(以下GIST)と診断された.腹腔鏡補助下での小腸部分切除術および腫瘍切除術を施行した.腫瘍は空腸から回腸までに存在し,2mmから50mmまでで,計12個を確認した.いずれもが小腸GISTであった.vRDには近年GIST合併例の報告が散見される.今回われわれは稀なvRDに合併した多発生小腸GISTを腹腔鏡補助下に切除を行った1例を経験した.この症例のような多発する特徴のある病変に対し,腹腔鏡による観察は有用であると考え報告する.