2019 年 44 巻 4 号 p. 658-662
目的:当科で5例の尿膜管遺残症患者に対して施行した腹腔鏡下尿膜管摘出術に関して報告する.
対象:2016年4月~2017年6月までに施行した男性2名,女性3名の計5名である.
方法:炎症の消退後に臍部を円状に皮膚切開し,腹直筋前鞘を露出させた.尿膜管を可及的に尾側に方向に剝離し,臍および尿膜管を清潔的に腹腔内に落とした.臍にEZ-accessを挿入し5mmポートを1本装着,腹腔鏡下に右側腹部に5mmポートを2本挿入した.助手が右上のポートよりカメラを挿入し,臍のポートより尿膜管を牽引した.術者は右下のポートより尿膜管を順行性に膀胱まで剝離し,臍から摘出した.
結果:手術時間は平均103分,出血量は3mlであった.周術期合併症は認めず,術後平均4日で退院となった.
考察:当科での腹腔鏡下尿膜管摘出術は,側腹部からのポート挿入が腹腔鏡下に挿入することで安全に行え,優れた方法であると考えられた.