日本外科系連合学会誌
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症例報告
鼠径ヘルニア術後慢性疼痛に対して腹腔鏡下メッシュ切除が奏効した1例
松下 公治三原 良明多賀谷 信美大橋 直樹八岡 利昌
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2019 年 44 巻 4 号 p. 857-861

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抄録

症例は66歳男性.16年前に左鼠径ヘルニアに対し,鼠径部切開法でメッシュによる修復術を行い,術後から左鼠径部痛が持続していた.その後新たに右鼠径部膨隆が出現したため,当院に受診した.腹部CTで右鼠径ヘルニアと診断されたが,左鼠径部に腹腔内へ突出した腫瘤像(meshoma)を認め,疼痛部位と一致することから,meshomaが疼痛の原因と考え,右鼠径ヘルニア修復時に左鼠径部のmeshomaを切除する方針となった.腹腔内を観察すると,左鼠径部に突出したメッシュを認め切除した.術後にこれまでの疼痛は消失した.

鼠径ヘルニア術後の合併症として慢性疼痛があり,日常生活に大きな支障をきたす.内科的保存療法に抵抗性の場合は外科的処置が考慮されるが,確立した治療法はない.今回われわれは,鼠径ヘルニア術後のmeshomaによる慢性疼痛に対して,メッシュ切除が奏効した1例を経験した.

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© 2019 日本外科系連合学会
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