日本外科系連合学会誌
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症例報告
腎細胞癌術後13年目に孤立性膵転移を認めた1例
關口 奈緒子池永 雅一加藤 亮家出 清継上田 正射津田 雄二郎中島 慎介太田 勝也松山 仁山田 晃正
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キーワード: 腎細胞癌, 孤立性膵転移
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2020 年 45 巻 4 号 p. 384-391

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抄録

症例は77歳,女性.13年前に右腎細胞癌の既往がある.嘔気の精査目的に施行した腹部CTで膵腫瘤を指摘された.造影CTでは膵体尾部に早期濃染される多血性腫瘤を2箇所認めた(40mm/9mm).40mmの腫瘤内部は不均一で内部壊死が疑われた.MRIでは被膜様構造を有し,T1強調像で低信号,T2強調像で高信号を呈していた.他臓器転移を疑う所見は認めなかった.腎癌の既往があり画像所見から腎細胞癌膵転移が疑われた.年齢と術後のQOLを考慮し脾合併膵体尾部切除術を施行した.術後はISGPF Grade Aの膵液漏と残膵膵炎を併発したが,30日目に退院を許可した.病理所見では淡明細胞型腎細胞癌の膵転移と診断した.また術前画像で指摘されていた病変の他に2mm大の微小転移巣も有していた.腎癌の転移巣としては膵転移は稀である.今回腎細胞癌摘出後13年目に膵転移をきたした症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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© 2020 日本外科系連合学会
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