2021 年 46 巻 1 号 p. 44-49
症例は28歳,女性.来院3日前に餃子を大量摂取した.翌日に嘔吐が出現したため近医受診したが,点滴のみで帰宅となった.しかしその後も症状は改善しなかったため,再度近医受診し,精査加療目的に当院紹介となった.ここ2年間で40kgの体重減少があった.来院時ショックバイタル,腹部膨満軟,圧痛はあったが腹膜刺激兆候は認めなかった.血液ガス分析では代謝性アシドーシスを認めた.腹部単純CTを施行したところ,胃内に多量の残渣を認めたが,明らかなFree airは認めなかった.まず胃管による胃内減圧の方針とした.翌日に造影CTを施行したところ胃壁に造影不良域を認め,上部消化管内視鏡検査では胃体部粘膜の黒苔の付着,粘膜脱落を認めた.以上より急性胃拡張による胃壊死と診断し,緊急手術を施行した.明らかな胃穿孔は認めなかったものの,胃体部前壁,後壁に広範な壊死所見を認め,胃全摘術,Roux-en Y再建を施行した.術後経過は良好で26病日に退院となった.