2021 年 46 巻 6 号 p. 717-721
患者は54歳の男性.アルコール性慢性膵炎で当院内科通院中であった.1年間に数回膵炎増悪症状や,膵炎に伴う十二指腸狭窄による腹部膨満症状が出現し保存的治療をしていた.2020年11月腹部膨満の症状が増悪して入院となった.上部内視鏡検査では胃が拡張しており残渣も多量に認めた.十二指腸球部から下行脚にかけて狭窄を認めた.狭窄部からの生検結果は良性であったが腫瘍マーカーのCA19-9が上昇しており膵癌の合併も完全には否定しきれなかった.十二指腸狭窄症状を繰り返す慢性膵炎の診断で膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織検査では十二指腸が繊維化のため狭窄していたが膵頭部も含めて悪性所見はなかった.