日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
症例報告
免疫染色でグルカゴン部分陽性を示したグルカゴノーマの1例
贄 裕亮西澤 伸恭田島 弘藤尾 俊允岡本 光祈子久保 任史増澤 真実子海津 貴史村雲 芳樹隈元 雄介
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 46 巻 6 号 p. 709-716

詳細
抄録

症例は23歳男性.18歳時より全身にびらん,痂皮を伴う皮疹が出現した.ステロイドなどによる治療を3年以上継続したが改善しなかった.その後,血清グルカゴン高値が判明し,CTで膵腫瘍を指摘されたためグルカゴノーマが疑われ外科紹介となった.ソマトスタチンシンチグラフィを含む画像所見では,膵尾部に39mm大の多血性腫瘤を認めた.リンパ節転移や他臓器への転移は認めなかった.腹腔鏡下膵体尾部切除術を施行し,病理所見ではグルカゴンの免疫染色は部分陽性であった.術直後に血清グルカゴン値は基準値範囲内に戻り,術後8日目に皮疹は改善した.術後2年経過した現在も再発なく健在である.

グルカゴノーマとして特徴的な臨床所見を認めるにもかかわらず,免疫染色では腫瘍におけるグルカゴン産生を十分に証明できない1例を経験した.グルカゴノーマの診断における免疫染色の意義について,文献的考察を加え報告する.

著者関連情報
© 2021 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top