日本外科系連合学会誌
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原著
薬剤包装容器(PTP: press-through-package)を誤飲した 25例の臨床検討
峯田 修明遠藤 俊治東田 正陽窪田 寿子田中 宏典伊藤 嘉智岡田 敏正吉松 和彦藤原 由規上野 富雄
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2023 年 48 巻 2 号 p. 89-94

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抄録

【背景】近年,薬剤包装容器(press-through-package,以下PTPと略記)誤飲による消化管異物の報告は増加し,診断に時間を費やした症例は重篤な合併症を引き起こすと報告されている.今回われわれは,過去13年間に経験したPTP誤飲症例の診断と治療や経過について若干の文献的考察を加え報告する.【方法】2010年~2022年で,25例(16%)がPTP誤飲であった.その25症例を後方視的に検討した.【結果】誤飲の原因は,肝性脳症による意識障害が1例,睡眠導入剤の影響が1例,注意力の低下が23例であった.発症から診断までの時間中央値(範囲)は4時間(1~36時間)で,診断根拠は,病歴のみが6例,単純X線検査が1例,CTが18例であった.治療は内視鏡的摘出が23例,その他が2例(自然排泄/吐き出し)で,全症例合併症なく経過した.【結論】当院において,PTP誤飲に対する早期診断が良好な経過につながったと考える.

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