日本外科系連合学会誌
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大腸癌における血清SLX測定の意義
CA 19-9, CEAとの比較検討
林 剛一
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キーワード: 大腸癌, 肝転移
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1996 年 21 巻 5 号 p. 868-876

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抄録
初発大腸癌100例を対象とし, 血清Sialyl SSEA-1 (SLX) 測定の臨床的意義, 特に肝転移と, 術前の血中腫瘍マーカー濃度との関係について検討した。まず肝転移についてみると, 血清濃度と陽性率でSLXはCA19-9, およびCEAと同じように, 異時性肝転移群と非肝転移群との間に有意差が認められなかった。しかし, SLXとCA19-9は血清濃度で, 手術時に肝転移が認められた群が手術時に肝転移が認められなかった群に比べ有意に高値であった。さらに, 肝転移の程度では, 血清SLX濃度で, 肝転移程度の高いH3群が肝転移程度の低いH1, 2群に比べ有意に高値であったが, CA 19-9とCEAでは有意差が認められなかった。以上より, 血清SLX濃度から, 将来的な転移の推測は不可能であったが, 手術前の肝転移の程度の評価に有用であり, また, 予後因子としての可能性が示唆された。
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