日本外科系連合学会誌
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膵分泌性トリプシンインヒビター (PSTI) の変動からみた良性胆道疾患の手術侵襲に関する検討
腹腔鏡下手術と開腹手術の比較
阪本 研一橋本 高志福地 貴彦
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1996 年 21 巻 5 号 p. 893-896

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抄録

良性胆道疾患に対する腹腔鏡下手術と開腹手術の手術侵襲を比較する目的で膵分泌性トリプシンインヒビター (PSTI) を測定した。対象は当院で手術を施行された良性胆道疾患14例で, 術前および術後第1, 3, 5, 7, 10病日にPSTIを測定し, 腹腔鏡下手術群 (n=8) と開腹手術群 (n=6) に分けて比較検討した。PSTIは両群で第3病日に術前値に対して有意差をもって最高値となる一過性の上昇を示したが, 両群間に有意差を認めなかった。今回の検討ではPSTIは良性胆道疾患の手術侵襲を反映して変動するものと考えられたが, 腹腔鏡下手術と開腹手術の間には明らかな手術侵襲の相違を認めなかった。

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