日本外科系連合学会誌
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骨盤直腸窩痔瘻に対する経仙骨的根治術
前田 耕太郎丸田 守人内海 俊明遠山 邦宏佐藤 美信奥村 嘉浩升森 宏次小出 欣和松本 昌久
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1997 年 22 巻 5 号 p. 813-815

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抄録
これまでの骨盤直腸窩痔瘻の治療の問題は, 術後の創治癒の遅延, 肛門機能の低下, 肛門や創の変形, 再発などであった。これらの問題を解決するために瘻孔造影で術前に瘻管の走行を確認し, 経仙骨的アプローチで全瘻管を確実に処理し, 半閉鎖する手術を施行した。症例は40歳の男性で, 肛門周囲痛で来院し, 肛門周囲膿瘍の切開排膿後痔瘻に移行した。肛門会陰部には10時の2次口と2次口周囲の皮膚の発赤, 直腸右壁の硬化を認めた。直腸肛門管造影を併用した瘻孔造影で骨盤+坐骨直腸窩痔瘻と診断し手術を施行した。2次口と皮下膿瘍を切除し瘻管をcoring out後, 経仙骨盤直腸窩の瘻管, 膿瘍を全て切除, 掻爬した。次に, 1次口の切除, coring outを行い1次口は半閉鎖した。2次口と仙骨切開創はドレーンを留置し閉鎖した。術後経過は良好で, 術後23日目に退院し, 術後6カ月現在再発もない。
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