日本外科系連合学会誌
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虫垂粘液嚢腫の2例
杉森 志穂金泉 年郁江本 宏史上野 正義八木 正躬中野 博重
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1997 年 22 巻 5 号 p. 816-819

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抄録
虫垂粘液嚢腫の2例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。症例1 : 72歳男性。右下腹部痛を主訴に来院した。急性虫垂炎の診断にて開腹したところ, 10×4cmと著明に腫大し膿苔の付着した虫垂を認めた。手術は回盲部切除術を施行した。虫垂は黄白色のゼラチン様物質で充満していた。病理組織学的には粘液嚢胞腺腫であった。症例2 : 77歳男性。体重減少を主訴に来院した。注腸検査, 大腸内視鏡検査にて盲腸の粘膜下腫瘍様の病変を認め, CT, 超音波検査では回盲部に嚢胞性病変が描出されたため, 虫垂粘液嚢腫と診断し回盲部切除術を施行した。虫垂は拇指大に腫大し, 虫垂内腔には黄白色のゼラチン様物質が充満していた。病理組織学的には粘液嚢胞腺腫であった。
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