日本外科系連合学会誌
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直腸肛門の形態学的・機能的異常疾患の診断 特にDefecographyによる
富田 涼一五十嵐 誠悟萩原 紀嗣丹正 勝久宗像 敬明福澤 正洋
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1998 年 23 巻 4 号 p. 653-657

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抄録
過去1年6カ月の間で排便時に何らかの愁訴を訴え, 当科外来を受診した患者95例 (男性37例 : 15-73歳, 平均46.5歳;女性58例 : 18-79歳, 平均46.7歳) にdefecographyを行い, 以下の結果を得た。1) 男女とも残便感が最も多かった。2) 男女とも2回/週の便秘が最も多く, 便秘症例や排便時怒責を有するものが明らかに多かった。3) 男性では骨盤底筋異常例と直腸壁異常+骨盤底筋群異常例が, 女性では直腸壁異常+骨盤底筋群異常例が最も多かった。そして, 直腸壁異常+骨盤底筋群異常例が男性より女性に明らかに多かった。また, 男性では正常所見も認められたが, 女性ではなんらかの直腸肛門形態学的・機能的異常疾患が認められた。女性ではrectoceleが男性より明らかに多かった。また, 女性では会陰下垂症候群を認める例が男性より多かった。
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