抄録
泌尿器科患者544症例の, 1,144血清については前立腺特異抗原を2抗体法, 固相法およびタンデム法で同時に測定して, 3測定法による前立腺特異抗原値を比較検討した。固相法=1.85+1.25×2抗体法 (r=0.645), タンデム法=0.29+1.39×2抗体法 (r=0.914) および固相法=-1.15+1.11タンデム法 (r=0.939) の強い正の相関をしめしたが, 前立腺特異抗原の濃度別に検討するとその回帰係数は一致するものが少なかった。前立腺癌症例の治療による前立腺特異抗原値の変化をみると, 各症例毎の3測定法間の回帰直線は一致するものが例外的であった。