日本外科系連合学会誌
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皮膚筋炎に合併した肝転移を伴う下行結腸癌の1例
笠巻 伸二川瀬 吉彦野口 肇安田 一彦西村 和彦森脇 稔杉谷 通治倉井 亮
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キーワード: 皮膚筋炎, 結腸癌
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1998 年 23 巻 5 号 p. 847-850

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抄録
患者は72歳男性。平成8年10月より顔面紅斑・筋力低下に気付くも放置していた。平成9年2月より便秘が持続するようになり近医を受診。検査の結果, 下行結腸癌の診断で当科入院となった。入院時, 歩行困難をきたす程の筋力低下が認められた。血液検査成績ではGOT, LDH, ALD, CPKなどの筋原性酵素の上昇を認めた。注腸造影検査では下行結腸にapple core signを認め, 大腸内視鏡検査で全周性の狭窄を認めた。また, 腹部CT検査で肝左葉 (S3) に転移を認めた。以上より, 皮膚筋炎を合併した下行結腸癌および肝転移の診断で, 平成9年3月17日左半結腸切除術+肝部分切除術を施行した。皮膚筋炎症状は術後1週間で著明に改善し, その後, 術後経過とともに異常血液検査値もほぼ正常化した。経過良好で, 術後第21病日に独歩にて軽快退院した。
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