日本外科系連合学会誌
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がん告知希望調査前後での告知状況の変化
診療グループ構成員それぞれの変化に着目して
野末 睦工藤 寿美井坂 直秀丸山 常彦金沢 伸郎小田 竜也福永 潔川本 徹小池 直人石黒 慎吾足立 信也高田 泰次湯沢 賢治大塚 雅昭轟 健深尾 立
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1999 年 24 巻 1 号 p. 58-63

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抄録
当科では入院患者を対象に, 1995年11月より癌告知に関する希望調査を開始した。この研究の目的は, 調査結果の分析と調査実施をきっかけとした癌告知状況の変化, さらにグループ内医師間での告知状況の違いを分析することである。医師の告知状況の解析では, 告知希望調査実施前, 調査実施後前期, 実施後後期を調査期間として, スタッフ7名の術前説明での告知状況について, カルテの記載内容より評価した。告知希望調査では約9割の患者が病名告知を希望し, 約7割が家族が希望しない場合でも告知を希望した。医師の告知状況は, 告知希望調査開始前には医師間で告知率に大きな違いがみられたが, 希望調査実施後は多くの医師で告知率が著明に上昇し, グループ内の統一性がみられるようになった。しかし予後告知については, 後期調査期間で告知率の低下がみられ, 手術説明時に説明項目を網羅し, さらに図も用いた術前説明の用紙の必要性が示唆された。
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