日本外科系連合学会誌
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膀胱癌の臨床的検討
三方 律治
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キーワード: 膀胱癌, 臨床的検討
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1999 年 24 巻 2 号 p. 198-202

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抄録
1986年から1995年までに初めて入院治療し, 病理組織学的診断の確定した膀胱癌230例を対象に, 5年間隔で前半群102例と後半群128例とに分割して臨床的検討を行った。前後半群で性別に変化はなかった。平均年齢は前半群65.98歳後半群66.13歳で全く差はなかったが, 年齢分布では, 後半群では60歳代から70歳代にピークが移っていた。臨床症状, G分類, 初回外科的治療法は前後半群で差はなかったが, 後半群ではTaが増えT2が減少していた。全230症例では, 進展度の進むほど組織分化度は低くなり, 70歳以上では深部筋層以上 (T3) に浸潤する頻度が高かった。全230症例について1998年5月に最終予後調査を行って生存率を求めて, 予後因子の検討をしたが, 膀胱癌の予後は組織分化度よりその進展度により多く影響されていた。
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