日本外科系連合学会誌
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生体吸収性素材による顔面骨骨折の治療について
チタン製ミニプレートシステムと比較して
根本 充田中 正英柏木 慎也村上 博則橋本 信子内沼 栄樹
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2000 年 25 巻 1 号 p. 10-14

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抄録

生体吸収性素材によるミニプレートシステムは金属製ミニプレートシステムの問題である機械的刺激の持続や骨接合周囲の骨の脆弱化, 骨成長障害などを解決するために開発されてきた。われわれは顔面骨骨折の骨接合にポリL乳酸製ミニプレートシステムを導入し, その有用性や問題点についてチタン製ミニプレートシステムと比較検討した。ポリL乳酸製ミニプレートシステムの術中操作性はベンディングやタッピングの必要性など若干の煩雑さがある。術中の固定性はいずれのミニプレートシステムでも他の内固定法を併用したものはなく, 十分な固定性が得られた。ポリL乳酸製ミニプレートシステムは術後感染や再転位などの術後合併症, 術後経過において問題は認められず, 抜釘術が不要なことから, チタン製と比べ骨接合数あたり約4.2倍という材料自体のコストが改善されれば, チタン製ミニプレートシステムと同様に有用である。

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