日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
総胆管結石症における胆管内超音波検査の有用性
ERCPおよび腹腔鏡下術中胆道造影との併用
篠塚 望小山 勇安西 春幸俵 英之上笹 直美濃島 卓哉渡辺 拓自松本 隆許 俊鋭
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 25 巻 1 号 p. 48-53

詳細
抄録

総胆管結石症症例に対し, 内視鏡的逆行性胆膵管造影 (ERCP) 及び腹腔鏡下手術における術中胆道造影時に細経プローブを用いた胆管内超音波検査 (IDUS) を施行し, その有用性を検討した。ERCP施行28例中3例 (11%) はERCPで総胆管結石を確認できず, 経乳頭的IDUSでのみ確認することができた。術中経胆嚢管的にIDUSを施行した5例のうち2例に内視鏡的乳頭括約筋切開術 (EST) 後の遺残結石を認め, うち1例は術中胆道造影にて明らかな結石を認めずIDUSにてのみ確認できた。総胆管結石症におけるIDUSは, ERCPでは確認が困難な小結石やESTなどによる切石後の遺残結石の有無の診断に有用と思われた。また, 腹腔鏡下手術における経胆嚢管的IDUSは術中胆道造影と併用することにより, 総胆管結石の拾い上げに有用となりうる可能性があると思われた。

著者関連情報
© 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top