日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
胃全摘後のQOL
再建術式と経ロビタミン投与
足立 信也川本 徹高田 泰次小池 直人榎本 剛史篠崎 英司轟 健深尾 立
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 25 巻 6 号 p. 821-825

詳細
抄録
胃全摘後の再建術式としてRoux-en-Y法 (R-Y), pouch-en-Y法 (P-Y), pouch間置法 (P-I) のrandomized studyを行った。評価項目は愁訴, 体重, 逆流性食道炎の有無, 血液中VB12濃度, 術後1年目, 3年目の消化管胆道デュアルシンチグラフィー (GHDS) である。その結果, R-Yは胸焼け症状が多く, GHDSで胆汁の逆流が1年後86%, 3年後67%にみられた。食物のつかえ感はpouch群に多く, GHDSによる食物の逆流は1年後P-Y60, P-163%, 3年後P-Y43, P-I50%であった。食物の1時間停滞率が術後3年で減少した症例数はP-Y6例中2例, P-I6例中4例であった。P-Y群の体重減少が最も少なく, P-I群は1年後以降増加を続けている。さらに, 低VB12血症の患者に経口剤として1日量750μgのvitamin B12を投与したところ, 再建術式に関係なく有意な血中濃度の上昇と症状の改善がみられた。
著者関連情報
© 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top