日本外科系連合学会誌
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会陰下垂の有無からみた rectocele の検討
富田 涼一池田 太郎藤崎 滋丹正 勝久福澤 正洋
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2001 年 26 巻 1 号 p. 72-75

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抄録

残便感排便困難, 便秘などを主訴とするrectocele30例を, defecographyで会陰下垂を認める陽性群16例 (24-79歳, 平均53.8歳) と陰性群14例 (20-60歳, 平均42.2歳) の2群に分け, 臨床的特徴を比較検討した。陽性群は陰性群よりその大きさが明らかに大きく, 高齢者が多かった。また, soiling, 便秘, 排便時怒責, 出産既往, 骨盤内手術既往を有する例も明らかに多かった。rectocele例の会陰下垂は加齢, 便秘や排便時怒責による骨盤底筋群への負担, 出産や骨盤内手術による骨盤底筋群の機械的損傷が骨盤底筋群の脆弱化をきたし生じると考えられ, soilingの原因にもなる可能性が示唆された。

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