日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
直腸脱に対するDelorme手術の検討 とくに再発例について
保田 尚邦渡辺 誠田中 啓貴角田 明良草野 満夫
著者情報
キーワード: 直腸脱, Delorme手術, 術後再発
ジャーナル フリー

2002 年 27 巻 5 号 p. 764-767

詳細
抄録
[目的] 直腸脱に対するDelorme手術の術後再発を防止する目的で, (1) 粘膜切除長, (2) 粘膜抜去された筋層の縫縮法, (3) 手術適応について検討した。 [対象と方法] 1997年1月から2001年3月までに当科でDelorme手術を施行した初発直腸脱8例と再発直腸脱1例の計9例を対象とした。 [結果] 手術方法は脱出腸管の2倍以上 (3倍近く) の粘膜を切除し, 密になり過ぎない間隔で筋層を縫縮した。摘出粘膜長の平均は18cm (8~25) であった。初回手術8例の術後観察期間は平均20ヵ月で, 術後1例 (12.5%) が再発した。Delorme手術の適応としては, 脱出腸管が最長12.5cmまでの症例に有効と考えられた。またDelorme手術は, 直腸脱術後の再発にも有用であった。 [結語] 今回, 再発の2例を経験し, Delorme手術の適応と再発防止について若干の文献的考察を加えて検討し報告した。
著者関連情報
© 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top