日本外科系連合学会誌
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大腸癌肝転移巣診断におけるFerumoxides造影MRIの有用性
東野 健加納 寿之門田 卓士
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2002 年 27 巻 6 号 p. 870-873

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抄録
Ferumoxides造影MRI (Fe-MRI) の大腸癌肝転移における有用性を, 肝切除23症例 (62病変) における転移巣の検出率についてIV-CT, AG-CTと比較して検討した。Sensitivity, Positive predict valueは, IV-CTでそれぞれ81%, 97%, AG-CTで94%, 80%, Fe-MRIでは94%, 92%であり, Fe-MRIが良好であった。また, APシャントや肝動脈の狭小化のためCTでは描出不能であったが, Fe-MRIで腫瘍像が明瞭に描出された3症例を併せて報告した。ferumoxidesはKupffer細胞に取り込まれるため, 転移性肝腫瘍では偽陰性が少ない。また, 血流動態に異常がある場合でも, その影響をほとんど受けずに正確に描出することができるため, 症例によっては極めて有用な診断法であると考えられた。
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