日本外科系連合学会誌
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Epstein症候群に対する外科手術の1例
井上 裕美岡本 健太郎薄井 佳子神代 祐至大谷 俊樹寺本 研一有井 滋樹岩井 武尚
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2002 年 27 巻 6 号 p. 908-912

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抄録

症例は21歳, 女性。9歳時にEpstein症候群と診断され, 15歳時に血小板減少に対して脾臓摘出術。16歳時から腹膜透析を導入され, 21歳からは血液透析に移行している。今回, 脾臓摘出後より認められた膵仮性嚢胞が増大し, 経口摂取に問題を来すようになったため当科紹介となった。胃と嚢胞の接点が狭いため内視鏡下内瘻化術は施行できず, また腹膜透析後の硬化性腹膜炎が疑われたため, 最終的に嚢胞膵体尾部合併切除術を選択した。術後は血小板減少と, 組織の脆弱性に起因すると思われる網嚢内出血や膵液漏などの合併症に難渋したが, いずれも保存的に軽快し退院となった。

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