日本外科系連合学会誌
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無症候性膵内分泌腫瘍の2例
石井 要森 和弘竹山 茂
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2003 年 28 巻 1 号 p. 123-128

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抄録
膵内分泌腫瘍は比較的稀な疾患とされている。なかでも無症候性の膵内分泌腫瘍は臨床症状を欠くことにより早期発見が困難とされている。今回, 無症候性膵内分泌腫瘍を 2例経験したので, 文献的考察を加えて報告する。症例1は71歳, 女性。主膵管狭窄を伴う膵頭部腫瘤を認め, 膵頭部の微小癌疑いにて膵頭十二指腸切除術を施行した。膵頭部に最大径11mm大の境界明瞭な充実性腫瘍を認めた。病理診断ではラ氏島細胞類似であり, 免疫染色では, クロモグラニン陽性であった。症例2は84歳, 男性。主訴は低血糖でした。膵尾部に腫瘍を認めたため, インシュリノーマの疑いにて膵尾部脾切除術を施行した。膵尾部に最大径10mm大の境界明瞭な充実性腫瘍を認めた。病理診断ではラ氏島細胞類似であり, 免疫染色ではクロモグラニン陽性であったが, インシュリンは陰性であった。以上よりいずれも無症候性膵内分泌腫瘍と診断した。
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