日本外科系連合学会誌
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胃切除Roux-en-Y 法再建後の吻合部潰瘍が横行結腸に穿通し瘻孔形成した1例
鵜瀞 条関 英一郎権田 厚文
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2006 年 31 巻 4 号 p. 712-716

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抄録

症例は57歳, 男性。食欲低下と立ちくらみを主訴に当院を受診した。来院時はHb値4.6g/dlであり, 上部消化管内視鏡にて胃切除後吻合部潰瘍が大腸に穿通し瘻孔形成している所見を認めた。待期的に手術を行い, 胃切除Roux-en-Y再建後吻合部潰瘍の横行結腸穿通による瘻孔形成の所見であった。吻合部切除および横行結腸部分切除を行い, 再びRoux-en-Y法にて再建した。胃切除後吻合部潰瘍の横行結腸穿通による瘻孔形成は比較的稀ではあるが外科的な根治術を要することが多く, また吻合部潰瘍を繰り返すことも多い。自験例においても術後に吻合部潰瘍の再発をみたがproton pump inhibitor (PPI) 投与にて治癒しえた。胃切除後吻合部潰瘍の外科的治療においては慎重な術式の選択と術後PPIの投与を組み合わせることが重要と思われた。

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