日本外科系連合学会誌
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術前に施行したCTガイド下生検にて腹壁再発をきたした虫垂粘液嚢胞腺癌の1例
武内 有城神田 光郎飛永 純一
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2006 年 31 巻 6 号 p. 966-970

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抄録

今回われわれは腸腰筋内の腫瘤にて発見され, 術前に施行したCTガイド下生検にて腹壁再発をきたした虫垂粘液嚢胞腺癌の1例を経験した。症例は50歳代, 女性で右下腹部腫瘤にて, 2002年8月に紹介入院となる。CTで右腸腰筋内に約6cmの嚢胞性腫瘤を認め, CTガイド下生検で白色の粘液, 病理学的に粘液産生性腺癌 (CEA免疫染色陽性) の診断であった。下部消化管内視鏡検査にて移動盲腸と拡張した虫垂孔からの粘液の排出を確認し, 虫垂造影にて虫垂癌と診断した。同年10月に右結腸切除 (D3) +右腸腰筋, 腹壁合併切除を施行した。病理組織検査にて, 粘液嚢胞腺癌si n1P0H0M0Stage IIIaで制癌剤感受性試験CDDP陽性にてCDDP+5-FUの補助化学療法を6クール施行した。術後20カ月目に生検部に腹壁再発を認め, 再切除施行してUFT+ホリナートカルシウムの化学療法施行し, 再手術後約2年半の現在再々発を認めていない。

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