日本外科系連合学会誌
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四重複癌となるS状結腸癌を腹腔鏡下に切除した1例
湯川 寛夫利野 靖井野 裕代金成 正浩佐伯 博行和田 修幸大城 久益田 宗孝今田 敏夫
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2006 年 31 巻 6 号 p. 961-965

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抄録

大腸は他臓器に比べ多重癌を合併する頻度が高く, また診断治療技術の向上に伴い他臓器癌との重複例も増加している。今回, われわれは喉頭癌, 肺癌, S状結腸癌 (異時性2病変) の四重重複癌症例を経験したので報告する。症例は75歳の男性。2000年2月喉頭癌に対して化学放射線療法が著効し消失した。2004年8月肺腺癌に対し左上葉切除施行。2004年11月大腸内視鏡 (CF) 施行し肛門縁 (AV) より30cmのS状結腸ポリープにポリペクトミー施行。腺腫内高分化腺癌であった。2005年7月CF施行しAVより45cmのS状結腸にIp型ポリープを認め, ポリペクトミー施行。病理検査にて中分化腺癌, sm2 ly1 v0で断端 (+) が疑われたため, 2005年9月腹腔鏡下S状結腸切除術D2郭清を行い病理検査ではn0で腫瘍の残存はなかった。術後経過は順調で現在外来通院中である。

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