抄録
近年の医療技術の進歩は著しく,低侵襲でQOLの高い医療が追求され,ハイリスク症例に対しても積極的に外科治療が行われている.分子生物学やRoboticsに代表される先端技術が心臓血管外科分野に急速に導入され技術革新が進んでいる.第33回日本心臓血管外科学会は2003年5月13〜16日の3日間,札幌市のロイトン札幌で開催された.今回のテーマは「心臓血管外科学の新しい展開」で心臓血管外科における最新の医学・医療の方法と成果を論じるとともに,教育,医療経済をも踏まえた総合的なシステム構築を考える学会となった.本稿ではこの学会のトピックスを中心に心臓血管外科の進歩を述べる.