日本臨床スポーツ医学会誌
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Ischiofemoral impingement による大腿方形筋損傷をきたした陸上ハードル選手の3 例
杉山 貴哉石川 徹也三宅 秀俊氷見 量
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2023 年 31 巻 1 号 p. 231-237

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抄録

Ischiofemoral impingement(IFI)による大腿方形筋損傷をきたした陸上ハードル選手3 例を経験した.3 例ともに女性であり,抜き脚側に症状が認められたが,MRI では両側大腿方形筋の筋腹に信号変化が認められた.2 例は両側のischiofemoral space(IFS)とquadratus femoris space(QFS)に狭小化が認められたが,1 例は両側ともIFS とQFS の狭小化は認められなかった.IFS とQFS の狭小化が認められなかった症例に関しては,左右ともに片脚スクワット時のknee-in が認められた.抜き脚は股関節のダイナミックな動きの中で特に股関節伸展位付近ではIFS の狭小化が起こりやすく,これらがIFI と関連している可能性があると考えられた.陸上ハードル選手の抜き脚側の鼠径部や殿部に非定型の疼痛がある場合にはIFI を考慮する必要があると考えられる.

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© 2023 一般社団法人日本臨床スポーツ医学会
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