2023 年 31 巻 1 号 p. 238-243
本研究の目的は,中3 日という短い登板間隔が投球フォームや球速の乱れに与える影響を分析することであった.
対象は,学童野球公式戦の準決勝において先発完投(99 球)をし,中3 日の登板間隔で決勝においても先発完投(110 球)をした投手1 名であった.方法は,ハイスピードカメラ1 台による2 次元動作分析であった.
その結果,準決勝では投球フォームや球速の乱れは点在する程度であったが,決勝では50 球を超えたあたりから投球フォームや球速が大きく乱れ始め,これらの乱れが相手打線に捕まるきっかけになったと考えられた.
投球フォームや球速の乱れの観点から,準決勝での投球過多による疲労は,中3 日の登板間隔では十分に回復しないことが示唆された.